BichonFriseTokyo

ビションカットについてご紹介①

ビション・フリーゼのスタンダードカット

脚がすらっと長い子もいれば、胴が長い子、やせ型の子、太っちょの子など、どの子にとっても最も美しいスタイルを見つけて作り上げるのが私たちトリマーの仕事です。

たとえばビション・フリーゼでは、理想より首が短い子が多いのですが、
理想的な長さに見えるようにカットでつくっていくんです。首が長く見えるようにアフロを高めにつくって、顎下ラインを短めに。側貌してバランスを確認し、いずれも最後は歩様させステイさせてバランスを調整しながら美しく見えるようにしていきます。

さて、ビション・フリーゼには、大きく分けて胴長短足のドワーフタイプと、脚が長いハイオンタイプがあることをご存知でしょうか。
今回はそれぞれのタイプについて、いくつかカットのポイントを紹介していきます。皆さまの愛犬の体型を見ながら是非ご一読ください。

ビション・フリーゼのタイプ

ドワーフタイプは、胴長短足でマズルが長めなのが特徴です。そのため、胴が短く、脚は長く見えるようにカットしていきます。

たとえば、腰骨ギリギリからカットし、坐骨端もギリギリにカットすると、背中が短く見えるようになります。さらに前脚のうしろ、後脚の前の被毛は長くするなどして、胴が詰まって見えるように全体的にバランスを作っていきます。前から見たときも脚が長く見えるように、脚は胸の上の方から作っていきます。

一方、脚が長いのがハイオンタイプです。身体も脚も細く(被毛を短く)してしまうと、全体的にひょろ~っとした感じになってしまうので、全体的にボリューミーにつくっていきます。

横から見て、背線アウトラインはギリギリに短くしながら、お腹の下は長めにすることで、脚の長さが気にならないようにバランスを作っていきます。 前から見たときも足の長さが気にならないように胸部を作ります。

これだけのこと、と思われてしまうかもしれませんが、犬ごとの骨格を見極めて、過不足をカットで補いながら立体的に理想のスタイルを作っていくところにトリマーの技量が光ります。

さて、似ているようで全く違うビションカットとトイ・プードルのカットの違いについても紹介したいと思います。

  • ✓胸と脚のラインを入れない
  • ✓膝の後ろのカーブを作り過ぎない
  • ✓ボディのアウトラインは丸み膨らみを作らない
  • ✓お尻はプードルのように膨らまない
  • ✓前脚・後脚は、ネックライン、臀部下腿部より太くない

ビションカットにしたいのにトイ・プードルっぽくなってしまう、というケースが意外と多いようです。 実際ビション・フリーゼのスタンダードカットがきちんとできるトリマーは少ないです。最近はビション・フリーゼという犬種が広く知られるようになって、ビション・フリーゼのスタンダードカットをウリにするサロンが増えてきましたが、それでも少ないのが現状です。 ですから、もしこれからビション・フリーゼを迎える予定がある方でスタンダードカットをしたい場合は、スタンダードカットができるトリマーも事前に探しておくといいですね。

今回は骨格からみたポイントを紹介しましたが、お顔の作り方にも犬ごとの目鼻立ちの特徴から見たポイントや、柔らかかったり少なかったりする毛質や毛量ごとのポイントもあります。 またこちらのコラムページで紹介していけたらと考えています。 もっともっと、ビション・フリーゼのスタンダード・カットの魅力、醍醐味を知ってもらいたいと願っています。